修復のための募金

日本聖殉教者教会
一筆一筆が私の祈り ― ルカス・龍三・長谷川「カトリックの画家」
チヴィタヴェッキアの日本聖殉教者教会に残るルカス・龍三・長谷川(長谷川路可、1897-1967)の絵画は、キリスト教の宗教美術のなかでも唯一無二の存在です。その成り立ちや制作の経緯の特殊性に加え、作品の質の高さ、画法の独創性、そして全体を貫く様式と主題の見事な統一感が際立っています。
後陣の壁には、1597年2月5日に日本で十字架にかけられた修道士と信徒、二十六人の殉教の場面が描かれています。後陣の半ドームには、修道会の聖人たちに囲まれた、今ではよく知られる着物姿の聖母。各礼拝堂には、それぞれが捧げられた聖人にまつわる場面が描かれています。
絵画はフレスコで描かれており、よく見ると、フレスコ画に特有の「ジョルナータ」(一日分ずつ塗られた漆喰の区画)の跡が見て取れます。画家の筆致は実にのびやかです。これらの絵画の特徴は、ヨーロッパ絵画の技法と日本の見事な伝統を融合させた表現そのものにありますが、ルカの筆が残した跡は紛れもなく彼自身のものです。
迷いのない筆さばきは画家の卓越した技量を物語り、そこでは古い伝統と同時代の表現が見事に調和しています。
これは、近現代の教会でよく見かける絵画、たとえ質の高いものであっても、それとは明らかに異なります。芸術的価値の高さが歴史的価値に匹敵する作品なのです。
礼拝堂はテンペラで描かれているため、印象はやや控えめかもしれませんが、構想の独自性から、こちらも非常に興味深いものとなっています。
より簡素な様式で描かれた身廊の天井もまた、下の絵画にとって完璧な額縁となっています。長谷川の弟子たちが教会の装飾を補完するという計画は実現しませんでしたが、それを惜しむ必要はないでしょう。心情的には胸を打つ画家への追悼であっても、加筆も解釈もなく、すべてが彼自身の手による作品の統一感を損ねかねなかったからです。
修復について
保存状態
- 五つの場面には、仕上げ漆喰層(イントナキーノ)の剥離が多く見られ、とくに右側の二場面は深刻で、描画面はほぼ全面的に剥離しています。これらの剥離は仕上げ漆喰層のみに及んでいるとみられ、近接調査によってより正確に把握できるでしょう。描画面は汚れの層に覆われています。さらに調査を進めれば、絵の具層の粉化や剥落の有無も明らかになるはずです。
- 天井には大きな亀裂がありますが、集められた証言によれば、非常に古く安定したものと考えられます。もちろん、これほど離れた位置からの観察では、表面全体に存在すると思われる小さな亀裂までは確認できません。
- 六つの小礼拝堂は、建築部分も含めて奥の壁が彩色されています。後陣とは異なりテンペラで描かれており、フレスコの部分があるのはおそらく一つだけです。漆喰の付着の問題は右側の最初の二つの礼拝堂で顕著です。教会のこちら側は海に面しており、それが漆喰の劣化を進めたことは間違いありません。そのほかの礼拝堂では、下部に小さな絵の具の欠落が見られ、過去の保存処置で、おそらく必ずしも適切ではない材料を用いて手が加えられた跡がはっきりと残っています。
修復作業
剥落のおそれがある部分には補強と保護のための養生を施し、強化作業のあいだ漆喰を支えます。
養生を外した後、充填用の接着剤を注入して壁体と絵画の漆喰との接着を回復させ、亀裂を充填します。
洗浄作業
堆積した埃、変質した定着剤、絵画の上に重なったさまざまな物質など、表面の付着物を取り除きます。漆喰層のひび割れ、破損、欠落部分を充填し、その後、縁の洗浄と色調の調整を行います。充填した欠損部分は、表面と同じ高さで水彩による補彩を行います。
修復のための募金
ルカス・龍三・長谷川の作品は、深い信仰と霊性の証しであるだけでなく、宗教図像の世界における唯一無二の存在であり、チヴィタヴェッキアの町にとっての宝であると私たちは考えています。支倉の路を考案し普及してきた協会として、すべての始まりとなった歴史のルーツに敬意を払い、私たちも役割を果たしたいと考えました。そのため、ラルゴ・サン・フランチェスコ・ダッシジにある日本聖殉教者教会のフレスコ画修復のための募金を支援しています。
教区が専用の口座を開設しています。ご協力いただける方は、以下の口座へお振り込みください。
Parrocchia Santi Martiri Giapponesi
IBAN IT43 P020 0839 0430 0000 3911 104
振込の摘要(causale):Restauro affreschi chiesa Ss. Martiri Giapponesi

